鼻をかんでいる女性

春先には毎年スギ花粉情報が発表されるなど、アレルギーに関しての認識は以前よりもだいぶ広まってきました。現代日本においては、国民の3人に1人の割合で何かのアレルギーを持っていることが分かっています。そんな身近な問題となっているアレルギーについて、なぜ発生するのかというアレルギーの仕組みや、アレルギー反応の原因を作り出すアレルゲンとはどういうものなのかなどを解説していきます。アレルギーがなぜ起こるのかを理解することで、アレルギーとうまく付き合っていくヒントになるでしょう。

アレルギーはどうして起こるの?

体の中に害を与える異物が侵入した際に、その敵をやっつけて体を守ろうとする作用が働きます。これが免疫機能と呼ばれるものであり、敵を攻撃するだけでなく、次回同じ敵が体内へと侵入してきた際には対抗できるように抗体を作り出します。この免疫とは、生物が健康に生命を維持していく上では欠かせない大切な機能の一つです。

免疫機能は、時に体へと害にはならない花粉や食物といったものにも過剰反応してしまうことがあります。この免疫による攻撃が激しくなり過ぎると、逆に体へ悪影響を及ぼす結果となります。これがアレルギー反応であり、花粉など要因となるものはアレルゲン(抗原)と呼ばれています。アレルゲンによって引き起こされるアレルギー反応の仕組みは、実にやっかいです。

私たちの身の回りには、アレルゲンとなりうるものがたくさん存在しています。決まった季節ごとに発生する特定植物の花粉だけでなく、ダニやハウスダスト、特定の食物、病気を治療するための薬などでもアレルゲンとなることがあります。さまざまな種類のアレルゲンがありますが、個人でどれに反応するかは異なります。

これらアレルゲンが体内へと侵入すると、免疫機能の働きによりIgE抗体という物質が生成されます。このIgE抗体とは、体内で生成される抗体5種類のうちの1つであり、タンパク質の一種です。このIgE抗体はアレルゲン物質を検知するためのアンテナとしての役割を担い、皮膚・粘膜のマスト細胞に張り巡らされるのです。異物の体内への侵入経路としては、口や鼻、目、他にも皮膚接触があります。

マスト細胞は皮膚や粘膜に多く存在していますので、その検知する精度は高く、二度目の異物侵入ではほぼ反応するといっても過言ではありません。これが免疫機能の本来持つすばらしい働きなのです。一度アレルゲンが侵入し、IgE抗体アンテナに引っかかると結合して、マスト細胞に準備され格納されているヒスタミンなどの物質が放たれます。体はヒスタミンによってかゆみをもたらし、異物の侵入口を知らせようとするのです。

実はこのヒスタミンという物質が大量に放出されることが、アレルギー反応の発生する仕組みにおいて鍵を握っていると言えるでしょう。ダニの死骸やフンなどは気持ちの良いものではありませんが、花粉などと同様にそれほど人間の健康を害するものではありません。それにも関わらず、体内に入ってくると体は異物として認知し、過剰に攻撃すればするほどヒスタミンが大量に放たれることになるわけです。異物では無いものにより強いかゆみが発生することは意味が無く、日常生活を送る上で大きな支障をもたらすだけのやっかいな状態に陥ることになります。

アレルギー反応は人間の意志で行っているものではありませんので、こうなってしまうと何らかの化学療法による手助けが必要となります。近年は住環境の快適化も進み、気密性の高まりとともにダニが一年中発生しているという共存状態にあります。このような環境ではダニが増殖するのにちょうど良く、ダニをアレルゲンとした気管支ぜん息などのアレルギー症状を持つ子どもが非常に増えているのです。

このように、アレルギーとは現代の社会にあるたくさんのものが要因となって発生するものとも言えます。または、本来は体を守るべき働きをすべく存在している免疫機能のエラーとも言えるかもしれません。体を守りたい一心でも、過剰に反応することで体に負担のかかる症状を引き起こすことになるとは皮肉なものです。

家族や自分がアレルギー反応を起こすと、強いかゆみを伴ったりして慌ててしまうものです。異物と勘違いした侵入物質を排除しようと過剰反応した免疫機能が、最終的にヒスタミンを大量に放出するという仕組みを理解しておくと、いざという時に冷静な判断や行動を起こすことができるようになります。アレルギー疾患を持つ人は年々増えており、それに対応する専門病院も増えてきていますので、すぐに行くことができる距離の病院を見つけておくと良いでしょう。

アレルギー反応を発生させないようにするには、アレルゲンと接触しない、ヒスタミンによるかゆみを抑える抗ヒスタミン薬の投与などといった方法が挙げられます。アレルギー疾患を持っていることが分かったら、このような対処療法で治療・改善させたり、特定の季節にのみ発生する場合には予防的に使用していくことになります。

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